これまでの記事の中で何度も「リスク」という言葉を使ってきましたが、そもそもリスクというのは、どういうものなのでしょうか？
色々な本を読んだりWEBサイトを確認したりしましたが、金融業界としても、必ずしも「リスクとはこういうもの！」と明確な定義は無いようです。
しかし、一般的には
リスク：考えられるリターンの不確実さ(ばらつき)
と考えられていることが多いように感じました。
標準偏差でばらつきを表す
そして、この「不確実さ(ばらつき)」を表しているのが「標準偏差」と呼ばれているものです。
この標準偏差の詳しい意味などは、下のURLを参考にしてみて下さい。
※参考URL:https://atarimae.biz/archives/5379
さて投資において必要な標準偏差の意味合いですが、リスクが不確実さ(ばらつき)ということなので、リスク=標準偏差となります。
実は「リスク=標準偏差」と考えることは投資をする上で非常に大切です。
なぜかというと、この標準偏差の考え方を使って「どれくらいのリターン・損失を出す可能性があるか」を知ることができます。
2標準偏差が基準になる
例えば、標準偏差(リスク)が10%の株があり、この株に100万円を投資する場合を考えてみます。
この場合、1年後に株価が±10%以内に入る確率が約68%(1標準偏差)、±20%以内に入る確率が約95%(2標準偏差)、±30%以内に入る確率が約99%となります。
今回の例では、この株に100万円を投資しているので、±10%以内というのは「±10万円以内」という意味と同じです。
また投資で特に重要視されているのが2標準偏差です。
この2標準偏差以内に入る確率が約95%ですので、この2標準偏差さえ確認できていれば1年間でどれくらいのリターン・損失が出る可能性があるかが分かります。
上の例であれば、95%の確率で-20%、つまり資金が20万円減り80万円になることは十分考えられることになります。
もし様々な理由でそれが耐えられないならば、その株に投資することはやめて別の投資対象を探したり、あるいは投資金額を少なくするなど、皆さんの状況に応じた対策が必要になります。
もちろん逆に+20%、つまり20万円増える確率も十分にありますし、95%以外の残りの5%でリーマンショックのような大暴落が発生することも考えられます。
このリスクの考え方は株式以外の投資についても当てはまりますので、投資をする前にそれぞれの投資対象のリスク(標準偏差)と2標準偏差の場合の損失額の確認をしておくことが、健全な投資につながると考えています。
実際リスクってどれくらいか？
では、「実際にどのような投資対象に何%のリスクがあるものなのか？」というような疑問が出てくると思います。
そこでWEBで調べてみたところ、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のページの中で、リスクとリターンについて紹介されているべージが見つかりました。
※参考URL：https://www.gpif.go.jp/gpif/diversification2.html
こちらをご覧いただくと、『各資産のリスク(標準偏差)と期待リターン』というグラフがあります。
こちらのグラフから、それぞれのリスクと期待リターンをまとめてみると、
・国内債券：リスク約4.5%、期待リターン約1.3%
・外国債券：リスク約11.5%、期待リターン約3.6%
・国内株式：リスク約25%、期待リターン約5.3%
・外国株式：リスク約26%、期待リターン約7.8%
となっています。
この数値をもとにして2標準偏差を考えてみると、国内株式の場合95%の確率で期待リターンから±50%のリスクがあることが分かります。
また3標準偏差を考えると、99.7%の確率で期待リターンから±75%のリスク(！)があることになります。
上の数字から考えてみると、このように株式のリスクの大きさが際立ち、債券との差が明確ですね。
しかし「ハイリスク・ハイリターン」という言葉通り、株式と債券のリターンの差も明確です。
よく本やWEB上の記事で読むことが多いですが、やはりリスクとリターンの関係を考えながらポートフォリオの考えて来ることの重要性が分かる数字でした。
今週の金融資産
■銀行預金：約199万円
■ideco：「時価評価額：237,876円」、「評価損益：53,770円」
■つみたてNISA：「時価評価額：266,526円」、「評価損益：33,195円」
■ETF：「時価評価額：4,445,760円」、「評価損益：763,452円」
■個別株投資：「時価評価額：1,041,200円」、「評価損益：-37,776円」
■金融資産の合計額：約798万円 ※過去最高
次回予告
今回の記事に少し出てきましたが、次回は期待リターンというのがどのようなものなのか、ということを深堀してみます！
長期的に投資をする上で大切な言葉です！
お楽しみに！！
